【週替わりの展示会】 阿蘇久木野窯 陶展/伊比井 宣明・伊比井 万貴(南阿蘇村)
【週替わりの展示会】
阿蘇久木野窯 陶展/伊比井 宣明・伊比井 万貴(南阿蘇村)
会期・・・・・令和2年11月3日(火)~11月8日(日)
時間・・・・・9:30~17:30※最終日は16:30まで
会場・・・・・熊本県伝統工芸館 1階展示室
ただ今「1階展示室」では、「阿蘇久木野窯 陶展」が開催中です。
阿蘇山の南に位置する久木野(くぎの)地区。
その地に「阿蘇久木野窯」を構える焼き物の作り手、伊比井宣明さん・万貴さんの二人による展示会です。
窯は同じくしても、お二人の作風は全く異なります。
染付けで作陶する万貴さんにとって、意欲作となった作品たちがありました。
江戸時代の書籍で見た「竹」「雪笹」のモチーフに着目し、長年どう表現するかを悩まれていたそうです。
「自分の中で『竹』『雪笹』というモチーフがずっと気になっていて。
私は染付けとしては色を多く使ってびっしり描き込む方なんですけど、あえて色と描き込みを減らして、そのシンプルさでどこまで表現できるか。そこにこだわりました」
そして完成したのがこちら。
一見すると同じモチーフの連作のようにも見えますが、実はそれぞれ使われる土と技法が異なる3枚です。
鉄分が多い土を焼いて出る赤み、吹き墨の鮮やかな青色、使う色を2色に限定したことで土そのものの色が生きた陶肌など・・・ぜひ会場で3枚を見比べてください。
(写真ではお色が奇麗に映らないのが残念!裏も必見です)
「今回、初めてこの作風で青呉須のキレイさを表現できたと思います。
この作風をもっと発展させていきたいです」と笑う万貴さん。
宣明さんは青磁釉、三彩釉など様々な焼き物を制作されています。
今回は空間を作るオブジェのコーナーがありました。
以前作っていたシリーズ「陶人」の新しいシリーズ。
陶器の面白さを見せるシャンデリアのような吊るすオブジェ。
新作が揃う本展の中でも、30年以上のキャリアで初めて作ったという陶板。
宣明さんの普段の制作を知るとイレギュラーな作品にも思えますが、これまでの生活の器やオブジェの文脈があるからこそ存在感が引き立ちます。
鮮やかで曲線的な形が面白いものと、直線的でモノトーンのものとの対比が面白いですね。
「僕はだいたい形の面白さを追ってしまうタイプではあるけれども『あえて違うところ行ってみようかな』と思って作ったのがこの直線的な作品です」
形は無機質ながら、陶が持つあたたかみがあるからか他の焼き物とよく調和しています。
その他、酒器・食器・花器など販売されています。
同展は11/8(日)まで。皆様のお越しをお待ちしております。
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